横田 茂

yokota本研究室では,宇宙推進機,とくに電気推進機やレーザー推進といった,非化学推進機の研究を行っています.

これまで宇宙推進機は,ロケットエンジンのような化学反応熱をガスの運動エネルギーに変換して推力を得るタイプ(化学推進といいます)が主流でした.これに対して,推進剤を電離(プラズマ化)して電磁気的に加速・排出する電気推進機は,排気速度を格段に早くすることができるため,化学推進機に比べ燃費が数倍~十数倍良くすることができます.探査機「はやぶさ」に搭載されて脚光を浴びたイオンエンジンもこの一種です.他にも,きく8号(ETS-VIII),世界に目を移せばNASAの探査機Deep Space 1など,近年では電気推進機は当たり前のように搭載されるようになってきました.今後はBoeing社の702SPのように全電化バスへの搭載や,火星以遠の惑星探査などのミッションへの搭載がターゲットと言われています.これに必要なのは「長寿命化」と「大出力化」です.これらをキーワードとして研究を進めています.

レーザー推進は,外部から照射されたレーザーを推進剤の運動エネルギーに変換し(この過程には定常的なレーザープラズマからの伝熱なのか,爆轟波を発生させるのか,レーザーアブレーションを起こすのか等,様々な形態が考えられています),推力を得る推進方法です.レーザーという形で外部から宇宙機にエネルギーを投入できるため,例えば電気推進に必要な太陽電池パネルや電源が必要なく,宇宙機の軽量化に繋がります.まだ基礎研究段階で,レーザーからのエネルギーをどうやって効率よく推進剤に伝えれば良いのか,物理現象を解析しながら明らかにしていこうとしています.

リンク:Space Propulsion Laboratory